日頃は当会の活動にご理解・ご協力をいただき、誠にありがとうございます。
長引く新型コロナウィルスの影響で困難な状況が続いておられる皆様に、心よりお見舞い申し上げます。

さて、2019年まで毎年秋に開催しておりました当会の恒例行事、チャリティ・バザーにつきましては、新型コロナウィルス感染拡大防止のため、2020年に続き今年度も開催を中止することとなりました。

 ワクチン接種が始まり、関係各位の努力と工夫によって、そのペースは日に日に加速してきています。この動きに呼応して、開催時期を後ろ倒しすることも検討しましたが、他の事業との兼ね合いから10月後半の開催予定時期を大きくずらすことは難しい状況です。バザーの開催当日とその準備に向けて、ボランティア等の人の動きが出る時期は9月から11月初旬となります。この時期の感染状況や医療提供体制を現時点で想定する上で、最近の各種報道等の中から、次の点を重要視しました。
集団免疫が得られるといわれる人口の6~7割にワクチン接種が行き渡る時期の見通しが、今秋から来年早々という一部報道が出ていること。
ワクチン接種希望率が高まらず、特に無症状や低い重症化率という特徴を持つ若年層ほどワクチン接種希望率がより低いこと。その結果、若年感染者自身は軽症や無症状で済んだとしても、周囲へ感染を拡大させるリスクは残り、医療提供体制のひっ迫リスクは引き続き残存する可能性があること。
定期的な大規模集客イベントの代表格で、11月に開催予定だった『東京モーターショー2021』が中止されたこと。
一方で6月中旬以後、接種券事後提出での職場接種や大学での接種が始まり、多様なチャネルでの接種促進策が推進され始めたこと。
さらには、65歳未満への接種券発送が始まり、都道府県単位での大規模接種会場の新設が相次ぎ、10~11月に希望者全員へ2回目の接種を完了させるという政府目標については、その達成が視野に入る可能性が出てきたこと。
特に上記③については、同イベントは通算67回の開催実績があり、1973年以来、隔年開催であります。今回はリモート開催も検討されたものの、「リアルに見ていただくことにこだわりたい、リアルにこだわるがゆえの開催中止である(主催者:日本自動車工業会)」とし、現実に集客する開催形式こそが、開催趣旨の実現に欠かせないとしています。これは当会のチャリティ・バザーと非常によく似た構図であると言えます。

 昨年の開催中止を決定する際には、次の3点を考慮いたしました。
当日ご来場のお客様の安全
値札付けや運搬、販売に携わるボランティア、職員の安全
物品ご提供依頼や値札付けなど、いったん開催を決めて準備作業を始めてから、途中で開催中止を決定することの困難

上記の3点考慮は今回にも当てはまります。しかも、現時点で感染状況が改善・解消すると期待される時期が、チャリティ・バザーの開催時期との間でたいへん微妙な関係にあります。東京五輪・パラリンピック後の感染状況は予断を許さず、確かなコンセンサスが形成されるには至っておりません。ワクチン接種が比較的早期に進んだ国の中には、変異株の強い感染力によって、再びロックダウンに入った地域も出てきました。
感染状況が改善・解消する事を期待し、これを前提に、多少の感染拡大リスクを負ってまで、当会のチャリティ・バザーを開催する意義があるかと言えば、それは間違いなく否です。十二分に安全が確保された環境でなければ、開催決定に踏み切ることは叶わないと考えます。

こうした観点から、今年度のチャリティ・バザーは中止することが適切であるとの判断に至りました。

チャリティ・バザーは当会の前身「交通遺児母の会」当時から、2019年まで毎年欠かさずに約40回にわたり開催してまいりました。交通遺児たちへのクリスマス・プレゼント(越年資金)に役立てるとともに、当会の活動広く知っていただく広報の役割も担ってまいりました。こうした中で、平成29年(2017年)には台風22号の予報により、急きょ開催日を3週間後に延期したうえ、会場も新宿区から墨田区に変更して開催させていただきました。皆様のお力添えのおかげで、この年もなんとか開催に漕げ付けました。

このように、物品のご提供をいただく皆様、値札付けや当日の運搬・販売に携わるボランティアの方々など、多くのご支援とご協力で2019年まで毎年継続して開催が出来てまいりました。しかしながら、チャリティ・バザーにかかわるすべての皆様の安心・安全を最優先し、チャリティ・バザーの歴史をこの先も継続するために、2021年度もバザーは中止とさせていただきました。

来年度はかなり高い確率で、バザーの開催が可能な環境になっていることが期待できると存じます。その際にはぜひとも、倍旧のご支援・ご協力を賜りますよう、どうぞよろしくお願い申し上げます。

地域によっては昨年からの感染拡大以来で、今が最も厳しい状況に置かれています。ワクチン接種の進捗に期待しつつも、引き続き積極的に感染拡大防止策(3蜜回避、マスク着用、手指消毒など)を励行してまいりましょう。
憂いなく人と人との接触を再開できる日まで、油断することなく、ご自愛ください。

2019年10月27日開催のチャリティ・バザーの様子(墨田区横川のすみだパークスタジオにて)

開場を待つお客様の列

バザー会場内の様子